![]() 異なる古さ(age)の分泌顆粒を識別するための方法
专利摘要:
本発明は、異なる古さ(age)の分泌顆粒(SG)の古さ(age)にしたがってSGを区別して標識することにより、細胞内の異なる古さ(age)のSGを検出するin vitro方法であって、以下の工程:(a)SGを形成し、そして以下のもの:1. それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド;2. (i)SGに特異的な(ポリ)ペプチド、および(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド、を含む融合タンパク質;を発現することができる細胞を〔前記物質は、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは別個の手段により検出可能なものである〕、結合部位を標的化する物質Aと接触させる工程;(b)前記細胞と物質Aにより結合されていない結合部位をブロックする物質Bとを接触させることにより、前記結合部位を飽和させる工程;(c)非結合の物質Bが細胞から除去されるようにする工程、または非結合の物質Bを細胞から除去する工程;(d)前記細胞と(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的とする物質Cとを接触させ、工程(b)の後に結合のために利用可能にする工程;そして(e)検出可能な物質Aおよび物質Cの両方の存在について検出する工程;〔ここで、物質Aおよび物質Cの両方の同時検出が、異なる古さ(age)を有するSGの2種の集団の存在を示す〕を含む、前記in vitro方法に関連する。さらに、本発明は、分泌顆粒(SG)の古さ(age)にしたがって区別して標識されたSGに対する、刺激の作用を細胞内で研究するin vitro方法に関連する。なし 公开号:JP2011512515A 申请号:JP2010542586 申请日:2009-01-16 公开日:2011-04-21 发明作者:イヴァノーヴァ,アンナ;ソリメーナ,ミケーレ 申请人:テッヒニシェ・ウニヴェルズィテート・ドレスデン・メディツィーニシェ・ファクルテート・カルル・グスタフ・カルス; IPC主号:G01N33-00
专利说明:
[0001] 本発明は、異なる古さ(age)の分泌顆粒(SG)の古さ(age)にしたがってSGを区別して標識することにより、細胞内の異なる古さ(age)のSGを検出するin vitro方法であって、以下の工程:(a)SGを形成することができ、そして1)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、または2)(i)SGに対して特異的な(ポリ)ペプチドおよび(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド、を含む融合タンパク質、を発現することができる細胞と、前記結合部位を標的化する物質Aとを接触させる工程(ここで、物質A〜物質Cは、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは別個の手段により検出可能である);(b)前記細胞と、物質Aにより結合されていない結合部位をブロックする物質Bとを接触させることにより、前記結合部位を飽和させる工程;(c)非結合の物質Bが細胞から除去されるようにする工程、または非結合の物質Bを細胞から除去する工程;(d)前記細胞と、(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的化する物質Cとを接触させ、工程(b)の後に結合のため利用可能にする工程;そして(e)検出可能な物質Aおよび物質C の両方の存在について検出する工程(ここで、物質Aおよび物質Cの両方の同時検出が、異なる古さ(age)を有するSGの2種の集団の存在を示す);を含む、前記in vitro方法に関する。さらに、本発明は、分泌顆粒(SG)の古さ(age)にしたがって区別して標識されたSGに対する、刺激の作用を細胞内で研究するin vitro方法に関する。] 背景技術 [0002] 本明細書において、特許出願および製造者のマニュアルを含む多数の書類を引用する。これらの書類の開示は、本発明の特許性には関連しないと考えられるが、その全体を参照により本明細書中に援用する。より具体的には、すべての参照される書類は、それぞれの個別の書類が、参照により援用されるものとして具体的にそして個別的に示されるのと同程度に、参照により援用される。] [0003] 分泌顆粒(SG)は、ペプチド-分泌性内分泌細胞中でペプチドホルモンの貯蔵のために使われるオルガネラである。化学的刺激は、SGの細胞膜との融合および細胞外スペースでのそれらの含有物の放出を誘導する。ほとんどの分泌性タンパク質と同様に、ペプチドホルモンは、粗面小胞体の腔中に翻訳と同時的に輸送され、その後ゴルジ複合体へと運ばれ、そして最終的にそれらは新生SG中に分類される。この経路にそって、ペプチドホルモンは、タンパク質分解的切断および糖鎖付加を含む複数の翻訳後修飾を受ける可能性がある。このように、SGの作製は、30分以上の時間を必要とするゆっくりとしたプロセスである。持続的な刺激により、SGの進行性の枯渇が引き起こされるため、細胞は、転写機構および転写後機構を急速に活性化して、これらのオルガネラのそれらのプールを更新しなければならない。] [0004] 50年以上前の電子顕微鏡による発見以来、神経内分泌細胞の分泌顆粒(SG、大型の高密度コア小胞としても知られる)は、細胞生物学者の注目を集めてきた。これは、それらが顕著な神経内分泌オルガネラであり、電子密度の高い含有物を有し、そしてペプチドホルモンおよび神経ペプチドの制御放出に関与するためである。SGは、数百nmの直径を有する、膜-内包型の球形オルガネラである。SGがトランス-ゴルジネットワーク(TGN)から生じる場合、それらは未だ未成熟の状態である。進行性のプロセッシングおよびペプチドカーゴのパッケージングにより、電子密度の高いコアの濃縮化の増加および成熟SGへの変換の増加を生じる(Glombik and Gerdes, 2000)。SGは、それらの形態学的外観および細胞型特異的ペプチドホルモンに対する高い免疫反応性、そしてクロモグラニンA(CgA)、クロモグラニンB(CgB)、そしてセクレトグラニン(secretogranin)II-VI(Taupenot et al., 2003)、およびプロホルモン変換酵素1/3(PC 1/3)およびプロホルモン変換酵素2(PC2)、そしてカルボキシペプチダーゼE/H(CPE)(Steiner, 1998)を含むその他のより一般的なカーゴに対する高い免疫反応性に基づいて、一般的に識別される。最近提唱されたように(Meldolesi et al., 2004)、真実の成熟SGを認識するための追加的な最小限の基準は、休止細胞中に真実の成熟SGが長期間にわたり貯蔵されること;細胞膜とのSGの制御された融合のために必須な特異的v-SNAREタンパク質が含まれること;そしてエンドソームマーカーまたはリソソームマーカーが存在しないこと;もまた含むべきである。その他のオルガネラとは異なるそれらの独特な特性にもかかわらず、SGは、単一の細胞型の内部においてさえ、不均一な小胞集団である。例えば、それらは、サイズおよび内容物放出の動力学において異なっている可能性がある(Perrais et al., 2004;Grabner et al., 2005;Michael et al., 2006)。これらの相違点のいくつかは、内容物濃縮が顆粒サイズおよび細胞外腔においてカーゴが溶解される速度を、徐々に減少させる可能性があるため、SGのagingに依存する可能性がある。新たに生成されたSGが選択的に放出されるにつれて、古くなること(Aging)もまた、SGがエキソサイトーシスを受ける可能性に影響を与える可能性がある(Duncan et al., 2003;Solimena and Gerdes, 2003)。いったん成熟SGが形成されると、エキソエンドサイトーシスサイクルのあいだずっとその同一性が保持される。エキソサイトーシスに続いて、シナプトタグミン-1およびV-SNARE VAMP2/シナプトブレビン2などのいくつかの膜貫通型タンパク質がエキソサイトーシス部位から拡散することができるが(Tsuboi et al., 2004)、特に、SG膜は、主に無傷のまま、再捕捉され(Taraska et al., 2003)、一方ICA512/IA-2の細胞質尾部を短くすることができる(Borgonovo et al., 2006)。] [0005] Duncan et al.(2003)は、顆粒が、それらの古さ(age)に従って空間的にそして機能的に分離されていることを見いだした。しかしながら、現在に至るまで、異なる古さ(age)のSGを識別するための、ふさわしく、信頼性があり、そして迅速な方法は知られていない。そのような方法は、例えば、SG機能をさらに調べるため、そしてSG合成および/または分泌の欠損に関連する疾患を治療するために潜在的に有用である化合物似ついてスクリーニングするための方法を提供するため、非常に有用であろう。] 先行技術 [0006] Glombik and Gerdes, 2000 Taupenot et al., 2003 Steiner, 1998 Meldolesi et al., 2004 Perrais et al., 2004 Grabner et al., 2005 Michael et al., 2006 Duncan et al., 2003 Solimena and Gerdes, 2003 Taraska et al., 2003 Tsuboi et al., 2004 Borgonovo et al., 2006) Duncan et al. (2003)] [0007] この技術的課題に対する解決は、請求の範囲に記載される態様を提供することにより達成される。 したがって、第一の側面において、本発明は、異なる古さ(age)の分泌顆粒(SG)の古さ(age)にしたがって、SGを区別して標識することにより、細胞内の異なる古さ(age)のSGを検出するin vitro方法であって、以下の工程:(a)SGを形成することができ、そして1)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、または2)(i)SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、および(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチドを含む融合タンパク質、を発現することができる細胞と、前記結合部位を標的化する物質Aとを接触させる工程(ここで、物質A〜物質Cは、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは別個の手段により検出可能なものである);(b)前記細胞と、物質Aにより結合されていない結合部位をブロックする物質Bとを接触させることにより、前記結合部位を飽和させる工程;(c)非結合の物質Bが細胞から除去されるようにする工程、または非結合の物質Bを細胞から除去する工程;(d)前記細胞と、(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的化する物質Cとを接触させ、工程(b)の後に結合のために利用可能にする工程;そして(e)検出可能な物質Aおよび物質Cの両方の存在について検出する工程(ここで、物質Aおよび物質Cの両方の同時検出が、異なる古さ(age)を有するSGの2種の集団の存在を示す);を含む、前記in vitro方法に関する。] 図面の簡単な説明 [0008] 図1は、クローニング戦略のフローチャートを示す。 図2aは、インスリノーマINS-1細胞中のhINS-SNAPおよびICA-512-GFPの共局在化を示す。 図2bは、図2aに示される同一細胞における赤色蛍光チャネルおよび緑色蛍光チャネル両方についての共局在化ピクセル(白色、左パネル)およびそれ由来の散布プロット(右パネル)を示す。 図3は、hINS-SNAPトランスフェクトINS-1細胞におけるSGのIn vivo標識を示す。 図4は、分泌顆粒のIn vivo標識を示す。 図5aは、図2bのレジェンドに記載された同一の手順を使用した、図3に示された画像(重ね合わせパネル)および図4に示された画像(重ね合わせパネル)の共局在化ピクセルをそれぞれ示す。 図5bは、図3に示された画像(重ね合わせパネル)および図4に示された画像(重ね合わせパネル)に由来する、共局在化ピクセルの散布プロットをそれぞれ示す。 図6は、休止(R)および刺激された(S)、hINS-SNAPでトランスフェクトされたINS-1細胞の、培養液中のヒトインスリン(白棒)および細胞抽出物中のヒトインスリン(黒棒)を示す。 図7は、休止(R)および刺激された(S)、hINS-SNAPでトランスフェクトされたINS-1細胞のインスリン刺激指数(SI)を示す。 図8は、hINS-SNAPで安定的にトランスフェクトされたINS-1細胞クローンのいくつかの細胞におけるTMR-Star(赤色)での蛍光標識を示す(左パネル)を示す。 図9は、INS-1細胞の培養液およびINS-1細胞の細胞抽出物中での、ヒトインスリンの、ラジオイムノアッセイ(RIA)による定量を示す。 図10は、INS-1細胞の培養液およびINS-1細胞の細胞抽出物中での、ヒトC-ペプチド(図10)の、ラジオイムノアッセイ(RIA)による定量を示す。 図11は、図9および図10のレジェンド中に記載された同一のプロトコルを用いて刺激された、トランスフェクトされたINS-1細胞の培養液中でのhINS-SNAPの蛍光検出を示す。 図12は、図9および図10のレジェンド中に記載された同一のプロトコルを用いて刺激された、トランスフェクトされたINS-1細胞の培養液中でのhINS-SNAPの蛍光検出を示す。 図13は、インスリンおよびERのマーカー(タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、PDI)、ゴルジ複合体の初期嚢のマーカー(130 kDaのゴルジマトリクスタンパク質、GM130)、トランス-ゴルジネットワークのマーカー(TGN38)、および初期エンドソームのマーカー(初期エンドソーム抗原-1、EEA1)についての二重蛍光標識を示す。 図14は、インスリンおよびERのマーカー(タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、PDI)、ゴルジ複合体の初期嚢のマーカー(130 kDaのゴルジマトリクスタンパク質、GM130)、トランス-ゴルジネットワークのマーカー(TGN38)、および初期エンドソームのマーカー(初期エンドソーム抗原-1、EEA1)についての二重蛍光標識を示す。 図15は、インスリンおよびERのマーカー(タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、PDI)、ゴルジ複合体の初期嚢のマーカー(130 kDaのゴルジマトリクスタンパク質、GM130)、トランス-ゴルジネットワークのマーカー(TGN38)、および初期エンドソームのマーカー(初期エンドソーム抗原-1、EEA1)についての二重蛍光標識を示す。 図16は、インスリンおよびERのマーカー(タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、PDI)、ゴルジ複合体の初期嚢のマーカー(130 kDaのゴルジマトリクスタンパク質、GM130)、トランス-ゴルジネットワークのマーカー(TGN38)、および初期エンドソームのマーカー(初期エンドソーム抗原-1、EEA1)についての二重蛍光標識を示す。 図17は、hIns-SNAP-トランスフェクトINS-1細胞の細胞内画分に対するウェスタンブロットを示す。 図18は、ノックインmIns2-SNAPマウスの作出の例示的ストラテジーを示す。] [0009] 用語“SGの古さ(age)にしたがってSGを区別して標識”は、本発明中で使用される場合、異なる古さ(age)を有するSGの集団を、それらの古さ(age)に依存して標識することができることを意味する。本発明の方法の原理は、細胞中に存在するSGを標識すること、そして特定の時間の後、新たに形成されたSGを別個に標識すること、である。] [0010] 本発明による用語“接触させること”は、物質を細胞へ適用することを意味する。“接触させる”ことは、細胞を物質と直接的に接触させること、ならびに細胞を物質(本件においては(ポリ)ペプチド)をコードする核酸によりトランスフェクトするかまたは形質転換することを含む。] [0011] SGを形成することができる細胞は、神経内分泌性細胞(膵島のβ細胞、その他の膵島細胞型、副腎髄質のクロム親和性細胞、下垂体の細胞、胃腸管の神経内分泌性細胞、および中枢神経系および末梢神経系のニューロンなど)である。神経内分泌性細胞は、ペプチドホルモンおよびニューロペプチドを産生する特殊な細胞群である。それらは、小胞中にホルモンを(しばしばアミンと一緒にそしてアミノ酸に由来するその他の特殊なシグナル伝達分子により)パッケージングし、そして様々な薬剤(例えば、栄養素、ホルモンおよび神経伝達物質)による刺激に際して、血流中にまたはニューロン周辺部にエキソサイトーシスを介してこれらのホルモンを分泌する。次いで、ホルモンは、それらの標的細胞へと移動し、そしてこれらの細胞の少なくとも1つの機能を、刺激し、阻害し、または維持することができる。標的細胞は、さらなる分泌を制御するこれらの神経内分泌性細胞に対して、情報をフィードバックすることができる。] [0012] 用語“SGに対して特異的”は、SG中で特異的に生じているか、またはSG中またはその上で特異的に濃縮されている、(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を特徴づけている。 用語“(ポリ)ペプチドを発現する”または“融合タンパク質を発現する”は、選択された細胞内で機能する適切な発現調節エレメントを使用する、(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質の転写および翻訳に関連する。この目的のため、調べられる細胞中には天然には存在していない本発明に従う融合タンパク質または(ポリ)ペプチドをコードする核酸分子を、一般的には発現系に依存する組成物である適切な発現ベクター中にクローニングすることができる。本発明のため、発現系は、真核細胞のものであり、好ましくは哺乳動物のものである。典型的な哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介するプロモータ要素、タンパク質コード配列、そして転写終結および転写物のポリアデニル化のために必要なシグナル、を含有する。追加の要素には、エンハンサ、コザック配列、およびRNAスプライシングのためのドナー部位およびアクセプター部位が隣接する介在配列が含まれていてもよい。非常に効率的な転写を、SV40由来の初期プロモータおよび後期プロモータ、レトロウイルス(例えば、RSV、HTLVI、HIVI)由来の長末端反復配列(LTR)、そしてサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモータを用いて達成することができる。しかしながら、細胞要素(例えば、ヒトアクチンプロモータ)もまた使用することができる。] [0013] あるいは、融合タンパク質を、染色体中に組み込まれた遺伝子構築物を含有する適切な細胞株中で発現させることができる。dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマイシンなどの選択マーカーとのコトランスフェクションにより、トランスフェクトされた細胞の同定および単離が可能になる。トランスフェクトされた核酸もまた、細胞中で増幅して、大量のコードされた(ポリ)ペプチドを発現させることができる。dhfr(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカーは、数百コピーまたは数千コピーもの目的遺伝子を保持する細胞株を作出するために有用である。別の有用な選択マーカーは、酵素、グルタミン合成酵素(GS)である(Murphy et al.1991, Biochem J. 227:277-279;Bebbington et al. 1992, Bio/Technology 10:169-175)。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培養液中で増殖させ、そして最も高い耐性を有する細胞が選択される。上述の宿主細胞のための適切な培養液および培養条件が、当該技術分野において公知である。] [0014] SGに対して特異的でそしてそれに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する細胞中で天然に存在する結合部位を有する(ポリ)ペプチドの場合、この(ポリ)ペプチドをコードする核酸は、細胞中に組み込む必要がない。] [0015] 本明細書中で使用される場合、用語“(ポリ)ペプチド”は、30個までのアミノ酸からなる一群のペプチド、ならびに30より多いアミノ酸からなる一群のポリペプチド、を含む一群の分子のことを記述する。後者の場合、用語“ポリペプチド”は、“タンパク質”と互換的に使用される。同様に定義にしたがって、用語“(ポリ)ペプチド”は、タンパク質のフラグメントのことを記述することができる。(ポリ)ペプチドはさらに、二量体、三量体、およびそれより高度のオリゴマー(すなわち、1つより多い(ポリ)ペプチド分子からなる)を形成することができる。そのような二量体、三量体などを形成する(ポリ)ペプチド分子は、同一のものであっても、同一のものでなくても良い。対応するより高次の構造は、結果的に、ホモ二量体またはヘテロ二量体、ホモ三量体またはヘテロ三量体などと呼ばれる。用語“ポリペプチド”および“タンパク質”はまた、天然に修飾されたポリペプチド/タンパク質のこともいい、ここで修飾は、例えば、糖鎖付加、アセチル化、リン酸化などにより、影響を受ける。そのような修飾は、当該技術分野において周知である。] [0016] 用語“それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位”は、少なくとも3つの異なる物質が特異的にそして共有結合的に結合する(ポリ)ペプチド上に位置する領域を特徴づける。この関連で、1つの物質A、物質B、または物質Cが結合するやいなや、残りの物質はもはや結合することができない程度で、結合部位は、同一であるかまたは重複していても良い。本発明の文脈において、(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の共通の結合部位に対する、物質A、物質Bまたは物質Cの互いの競合を回避するため、結合は、共有結合的でなければならない。もし、競合が存在したら、本発明の方法の結果は、部分的には、各物質の結合親和性に依存するだろうし、そしてしたがって信頼性のないものだろう。さらに、3つの物質の結合は、この(ポリ)ペプチド上で特異的に生じるが、方法を実施する細胞中に存在する他のいずれの(ポリ)ペプチドまたは他の非-タンパク質性構造のいずれでも生じない。] [0017] (ポリ)ペプチドに対して特異的なその結合を維持しつつ、少なくとも2つの検出可能な、好ましくは蛍光化合物のうちの一方のレパートリーの選択的カップリングにより、その物質を修飾することができるならば、(ポリ)ペプチドに対して特異的にそして共有結合的に結合する物質は、本発明において有用である。このことは、少なくとも2種類の異なる検出可能な物質を生じる。本発明の方法のために必要な第3の物質は、修飾が影響を受ける前の、最初の物質であろう。この関連において、本発明において適した標的結合部位は、その(ポリ)ペプチドに対して特異的である限りは、(ポリ)ペプチド上の物質に対するいずれかの結合部位であってもよい。そのような(ポリ)ペプチドについての例は、調べられた細胞中でのいずれかその他のタンパク質性構造または非-タンパク質性構造に対して結合しない物質に対する結合部位を有するものを含む。結合は、触媒反応を介して生じることができる。すなわち、物質は、その(ポリ)ペプチドのみを特異的に修飾する酵素を使用して、(ポリ)ペプチドに対して酵素的に結合することもできる。そのような酵素の例は、特異的なキナーゼ、ホスファターゼ、またはリガーゼである。SGと特異的に会合することが知られている酵素の例は、ペプチジルグリシンα-アミド化モノオキシゲナーゼ(PAM)であるが、この酵素は、モノオキシゲナーゼそしてリアーゼの両方として作用し、そして多数のニューロペプチドホルモン(例えば、バソプレッシン、オキシトシン、物質Pまたはガストリン)のカルボキシ末端をアミド化するために必要である、。国際特許出願WO 2004/104588は、アシルキャリアタンパク質(ACP)融合タンパク質を様々な異なる標識を使用して共有結合的に標識するための方法を開示する。この方法は、ホロ-アシルキャリアタンパク質合成酵素(ACPS)またはそのホモログを使用した、コエンザイムA型基質からACP融合タンパク質への標識の輸送に依存する。この方法により、分子を融合タンパク質に対して結合させ、それにより融合タンパク質に対して新たな物理的性質または化学的性質を導入することにより、in vitroおよびin vivoの両方において、融合タンパク質を検出することを可能にする。] [0018] 少なくとも3つの異なる物質が特異的にそして共有結合的に結合する(ポリ)ペプチドは、好ましくは、基質に対して作用する場合(自殺的不活性化)、基質または酵素に対して共有結合的に結合するその切断産物により生じる、不活性化プロセスを受ける酵素である。現在までに、上述した特性を発揮するいくつかの(ポリ)ペプチドが知られている。著名な事例は、SNAP-tag(国際特許出願WO 02/083937および国際特許出願WO2006/021553中に記載されるもの)およびHaloTagであり、両方とも以下にさらに詳細に記載される。例えば、SNAP-tagは、その基質であるグアニン塩基誘導体中のアルキル基と共有結合を形成する酵素を含む。所望の化合物(例えば、蛍光色素分子)をグアニン塩基誘導体に対して結合させることにより、多数の異なる基質を、SNAP-tag用に作成することができる。自殺的不活性化を受ける天然に存在する酵素のさらなる事例は、キサンチンオキシドレダクターゼ、キノタンパク質アルコールデヒドロゲナーゼ、およびDNAメチルトランスフェラーゼである。] [0019] 一つのさらなる選択肢において、少なくとも3つの異なる物質が特異的にそして共有結合的に結合する(ポリ)ペプチドは、特定の化合物に対して反応性の結合部位を含む。著名な事例は、In-CellテトラシステインモチーフCys-Cys-Xaa-Xaa-Cys-Cysであり、ここで、Cysはシステインを意味し、そしてXaaは(ポリ)ペプチド中に含まれるシステイン以外のいずれかのアミノ酸に対応する(以下にさらに説明する)。このモチーフは、天然に生じるタンパク質中には稀にしか見られないものであり、蛍光標識された2ヒ素化化合物の共有結合により、TC-Tagに対して融合された組換えタンパク質の特異的蛍光標識を可能にする。] [0020] 用語“融合タンパク質”は、少なくとも2種の異なる分子に由来する配列からなるキメラタンパク質のことをいう。本発明にしたがって、例示的な融合タンパク質において、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチドを、共通の結合部位に対して共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチドと融合する。融合は、それが本発明の融合タンパク質の構成成分をコードする核酸分子のインフレームの融合を生じる限り、当業者に公知のいずれかの技術により行うことができる。構成成分の融合は、どの様な順番で行ってもよい。従来は、2つまたはそれ以上の別々の(ポリ)ペプチドまたはドメインからの融合タンパク質の生成は、Horton R., et al., 1989, Gene 77:61-68に記載される“重複伸長による2方向性スプライシング”に基づいている。(ポリ)ペプチドをコードするフラグメントは、2つの別個の一次PCR反応において作成される。一次PCR反応のための内側プライマーは、2回目のPCR中に2つのドメインフラグメントの融合を可能にする、顕著な、およそ20 bpの相補的領域を含有する。あるいは、コード領域は、制限酵素部位を利用することにより融合することができ、それが天然に生じるものであるか、または組換えDNA技術により導入されるか、のいずれかであってもよい。] [0021] 少なくとも3つの異なる物質に共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチドを、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチドと融合することは、構成成分(ポリ)ペプチドのいずれか一つ、特にSGに対して特異的なものの生物学的機能が影響されずまたは損なわれないように、行われる。そうでなければ、改変された生物学的機能により、SGの異なる振る舞いが導かれる可能性があり、そして本発明の方法を実施する際に信頼性のある結果を何も生じない可能性がある。当業者は、融合タンパク質の生物学的活性を試験し、そしてその生物学的活性をそれぞれの別個の構成成分の生物学的活性と比較するための方法を知っている。] [0022] 用語“細胞膜を貫通することができる”とは、細胞中のその標的構造と結合することができるために、物質が細胞膜を通して移行する能力のことをいう。いくつかの物質は、細胞膜それ自体を貫通することができ、例えば、脂質親和性物質または(ポリ)ペプチド(例えば、HIV-1TATタンパク質、単純ヘルペスウイルス1(HSV-1)DNA結合タンパク質VP22、ショウジョウバエアンテナペディア(Antp)ホメオティック転写因子など)が含まれ、そのアミノ酸配列および構造は、細胞中へのその取り込みを可能にする特徴を有する。] [0023] 物質は、別個の手段により“検出可能”であってもよい。例示的な物質は、光(例えば、蛍光または化学発光)などのいずれかの種類の検出可能な放射線を放出する。“別個の手段により検出可能”とは、異なる検出原理、例えば、可視光vs. UV-光、または例えば、異なる蛍光物質の場合には、基本的には同様の特性を有するがしかし識別可能な検出特性を有するもののことを言う。] [0024] 用語“飽和”とは、十分な量の物質を提供して、その結果、少なくとも3つの物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド上のすべての結合部位が占められていることを意味する。言い換えれば、物質A、物質B、または物質Cのいずれか1つが過剰であることにより、(ポリ)ペプチドへの結合は、定量的である。] [0025] 用語“非結合の物質Bが細胞から除去されるようにする工程、または非結合の物質Bを細胞から除去する工程”は、細胞をインキュベーションしそして物質を輸送プロセスを介して細胞により積極的に除去させるか、または物質を濃度差により細胞から拡散させる、プロセスのことを言う。あるいは、培養液を1回またはそれ以上の回数交換することにより、または細胞を洗浄することにより、実験者は、このプロセスを積極的に行うことができる。] [0026] 用語“工程(b)の後に結合のために利用可能にする”とは、物質Bをそれまでに発現させたSGに対して結合させたのちに、新たなSGを発現させそして形成させるプロセスのことを言う。従って、新たなSGを、非結合の物質Bを除去するあいだまたは除去した後に、形成することができる。] [0027] 本発明の発明者らは、驚くべきことに、SG内部またはSG上に共通結合部位を有する物質の検出可能性に基づく技術を適用することにより、SGの古さ(age)にしたがって、SGを確実に区別して標識することができることを見出した。本発明の方法は、いくつかの物質を(ポリ)ペプチド上の同一の結合部位または少なくとも重複する結合部位に対して結合させることができるという事実に依存する。(ポリ)ペプチドのこの特性が、それがSGに対して特異的な(ポリ)ペプチドであるか、またはSGに対して特異的な(ポリ)ペプチドをさらに含む融合タンパク質の部分を形成するSNAP-tagなどのSGに対して特異的な(ポリ)ペプチドであるならば、SGの区別した標識と初めて組み合わせて使用された。SGをSGに対して特異的な(ポリ)ペプチドまたはSGに対して特異的な(ポリ)ペプチドを含む融合タンパク質に対して特異的にそして共有結合的に結合する物質と接触させることにより、標識物質の適用までに形成されたSGの本質的に全ての集団を標識することができる。その後、残っている可能性のある結合部位が飽和され、そして非結合物質が、受動的に(拡散および/または希釈により)または積極的に、細胞から除去される。物質を除去するために配分された時間のあいだそしてその後、細胞は、SGに対して特異的でそしてそれに共有結合する少なくとも3つの物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド、またはSGに対して特異的な(ポリ)ペプチドおよびそれに共有結合する少なくとも3つの物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチドを含む融合タンパク質のいずれか、を含む、新規のSGを発現しそして形成することができる。これらのSGは検出可能な物質と接触させていないため、それらは未だ標識されていない。第2の標識工程において、別個の手段により検出可能な物質以外で標識された第1の集団にしたがって、新たに形成されたSGが標識される。例えば、物質Aが特定の波長により励起された場合に検出可能な蛍光部分を含む場合、物質Cは、物質Aとは異なる波長で励起された場合に検出可能な蛍光部分または同一または異なる波長により励起された際に物質Aとは異なる波長で蛍光を発生する蛍光部分のいずれかを含んでもよい。] [0028] Duncan et al.(2003)は、クロム親和性細胞内でのSGの古さ(age)-依存性分布を解析した。これは、タンパク質の成熟プロセスの文脈において、SG-特異的タンパク質ANFを、緑色から黄色までその蛍光発光を徐々にシフトさせ、そして最終的には平均で16時間以内で赤色になるタイマータンパク質dsRed-E5(“GFP-タイマー)に対して、複合化することにより達成された。成熟のあいだ、GFP-系列の蛍光色素分子を修飾して、赤色蛍光色素分子を生じる(Terskikh et al., 2000)。新たに合成された顆粒の時空間的分離は、3日齢未満の小胞が黄色であることから明らかである;より古い小胞は、赤色を示し、そしてより若い小胞は緑色を示した。この方法の一つの主要な欠点は、GFP-タイマー分子が同一の時間範囲内において古くならず、または同程度に古くならない点である。したがって、いくつかのGFP-タイマー分子が一定の速度でそれらの発光波長を変化させるのに対して、いくつかのその他の同様に古いGFP-タイマー分子は、異なる速度でそれらの発光波長を変化させるか、または全く変化させない。結果として、同一の古さ(age)のSGに存在するGFP-タイマー分子は、必ずしも同一の発光波長を生じるわけではなく、そのためSGの古さ(age)を評価する際の正確さを限定する。さらに、平均すると、GFP-タイマーは、一定の時間をかけて、その発光波長を変化させる。したがって、SGの古さ(age)を検出するため、発光波長は、識別されるためにスペクトル中に一定の距離を有していなければならない。これは、GFP-タイマーが最初の波長から識別可能な波長にまでその発光波長をシフトさせるために必要な時間よりも短い時間で古さ(age)が異なるSGの振る舞いを調べることが不可能であることを結果として導く。一方、緑色から赤色へのシフトに必要とされる最大の時間よりも長い時間枠が実験について予測される場合、いずれかのSG中の全てのGFP-タイマー分子は、赤色光を放出し、その場合、異なるように古くなった(Aging)SG集団の区別は、もはや不可能である。したがって、実験またはスクリーニングに自由に使える時間枠は同等に狭く、一方本発明の方法は、制御された実験を提供するだけではなく、柔軟な時間枠を提供する。実験者は、SGのどのくらい多数の集団を標識することができるか、そして期間をどの程度にするのかを決定することができる。さらに、共通の結合部位に結合しそして別個の手段により検出可能な物質が十分な量利用可能である限り、2よりも多い異なって古くなったSG集団を標識することができる。] [0029] 本発明を、SNAP-tagに対して融合されたインスリンの例について実現した(添付の実施例を参照)。蛍光標識を、SNAP-tagの蛍光基質を共有結合的に結合された細胞に対して適用することにより実行した。先行技術では、分泌顆粒をタグ化インスリンにより標識することが困難であった。Tsuboi et al. 2006により言及されたように、インスリン-GFPキメラの分泌顆粒への標的化は、問題が多いことが示された。] [0030] さらに、本発明において使用される酵素的共有結合のシステムに関して、例として使用されたSNAP技術は、SNAPポリペプチド中の還元化システインと基質との反応性に依存する。しかしながら、分泌タンパク質のシステインは、典型的には酸化される。したがって、当業者であれば、hINS-SNAPの適切な畳み込みは、SNAPタグ中の一つの反応性システインにより損傷を受ける可能性があり、そして以下の可能性の一つを生じる可能性があることが予想された:1)折り畳まれていないhINS-SNAPは、小胞体中で分解される可能性がある;2)不適切に折り畳まれたhINS-SNAPは、SG以外のオルガネラに間違って標的化される可能性がある;3)hINS-SNAP中の反応性システインは、その他の分子中の遊離のシステインとのジスルフィド架橋の形成を導く可能性がある。hINS-SNAPの分解および間違った標的化を促進することに加えて、そのような二量体の形成もまた、基質とのその反応性を排除する可能性がある。まとめると、当業者であれば、インスリンを蛍光物質を用いて標識化しようとする動機付けを得ることはできなかったばかりではなく、成功の合理的な予測をもって、共有結合的に修飾された酵素の性質を標識化のために使用する動機付けを得ることもできなかった。] [0031] 本発明の文脈において、特定型のSGに対して特異的な(ポリ)ペプチドは、調べられる目的の細胞において発現されるSGの型と適合するように選択されなければならないわけではない点に、注目すべきである。SGに対して特異的な(ポリ)ペプチドを含む本発明の融合タンパク質によりトランスフェクトされる際、前記融合タンパク質が発現され、そして特定の細胞が通常は異なる物質に対して特異的なSG中でその(ポリ)ペプチドを産生しないとしても、SGに対して向けられる。例えば、インスリンを含む融合タンパク質をコードする核酸分子を、クロム親和性細胞中でトランスフェクトすることができ、融合タンパク質が発現されアドレナリンまたはノルアドレナリンを通常は含有するSGに対して向けられると予想される。] [0032] 本発明の方法は、細胞プロセスの間の細胞中でのSGの振る舞い、ならびに照射またはホルモン、サイトカイン、低分子量の物質(糖類、イオン類など)などの物質による刺激に際した細胞中でのSGの振る舞いを研究することができる。] [0033] 第2の側面において、本発明は、分泌顆粒(SG)の古さ(age)にしたがって区別して標識された分泌顆粒(SG)に対する、刺激物質の作用を細胞中で調べるin vitro方法に関するものであり、以下の工程を含む:(a)SGを形成することができ、そして1.SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド(この(ポリ)ペプチドは、それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する)、または2.(i)SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、および(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド、を含む融合タンパク質(ここで、物質A〜物質Cは、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは別個の手段により検出可能なものである)を発現することができる細胞と、a.その結合部位を標的化する物質Aとを接触させ;そして前記細胞と、物質Aにより結合されていない結合部位をブロックする物質Bとを接触させることにより残りの結合部位を飽和させる工程、またはb.結合部位を飽和させるために十分な量の、結合部位をブロックする物質Bとを接触させる工程;(b)非結合の物質Bが細胞から除去されるようにする工程、または非結合の物質Bを細胞から除去する工程;(c1)刺激を細胞に対して適用する工程;(d1)前記細胞と、工程(c)のあいだおよび/または工程(c)の後に発現される(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的とする物質Cとを接触させる工程;そして(e1)物質Aおよび/または物質Cの存在を検出しおよび/または工程(a)および工程(d1)において得られた区別して標識されたSGの数、サイズ、運動性、細胞内の位置、および/または分泌をモニタリングする工程;または(c2)前記細胞と工程(c)のあいだおよび/または工程(c)の後に発現される(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的化する物質Cとを接触させる工程;(d2)刺激を細胞に対して適用する工程;そして(e2)物質Cの存在を検出しおよび/または工程(a)および工程(c2)において得られた区別して標識されたSGの数、サイズ、運動性、細胞内の位置、および/または分泌をモニタリングする工程。] [0034] 用語“刺激”は、細胞と照射(例えば、光、放射性照射)または物質(ホルモン、サイトカイン、低分子量物質(糖類、イオン類、またはタンパク質))との接触またはそれらによる細胞の処理の結果のことを記述する。] [0035] 用語“数、サイズ、運動性、細胞内の位置、および/または分泌をモニタリングする”とは、SGの振る舞いを追跡して、SGの数、サイズ、位置、運動性および/または分泌の進展をモニタリングすることをいう。特定の刺激は、SGの発現、増殖、運動性および/または分泌を誘導するかまたは阻害することができると想定されており、これは上述した特性のいずれか一つにおける変化に際して、検出可能なものである。前記の特性の検出は、標識のために使用される物質中に含まれる検出可能な部分により促進される。] [0036] 第2の側面の好ましい態様において、刺激が試験剤であり、そして調べられる作用は試験剤が細胞中での分泌顆粒(SG)の形成を誘導する能力またはそれらの分泌を誘導する能力、またはその両方であり、ここでこの方法は、工程(e)、すなわち、工程(e1)または工程(e2)、において得られた結果を、試験剤と接触されていない以外は同様に処理された試験剤とは接触されていない参照細胞において得られた結果と比較する工程(f)をさらに含み、ここで参照細胞中の物質Aおよび/または物質Cの量とは異なる、細胞中で検出される物質Aおよび/または物質Cの量が、試験剤が細胞内でのSGの形成および/またはその分泌に影響を与える能力の指標である。] [0037] “試験剤”は、“刺激”の下で規定される物質を含むいずれの化学物質であってもよい。 本発明の好ましい態様において、SGはインスリン顆粒であり、そして工程(a)1)の(ポリ)ペプチドまたは工程(a)2)(i)の(ポリ)ペプチドは、インスリン顆粒に対して特異的である。] [0038] 膵島のβ-細胞は、脊椎動物におけるグルコース恒常性の調節のための最も重要なホルモンであるインスリンを産生する、内分泌細胞である。インスリンは、膵臓β-細胞のSG中に貯蔵され、そしてそこから分泌される。グルコースは、インスリンSGのCa2+-依存性エキソサイトーシス、ならびにインスリンおよびその他のSG構成成分の生合成の両方ともを刺激し(Guest et al., 1989;Guest et al., 1991)、これにはクロモグラニンA、およびプロホルモン変換酵素1/3(PC1/3)(Alarcon et al., 1993;Martin et al., 1994)およびプロホルモン変換酵素2(PC2)(Martin et al., 1994)が含まれる。それぞれのβ-細胞は、約104個のインスリン分泌顆粒を貯蔵する(Bratanova-Tochkova et al., 2002;Rorsman and Renstrom, 2003)。それらの5%未満がすぐに放出可能であり、すなわち、第1相インスリン分泌のあいだにエキソサイトーシスを受け、それは血糖が>5 mMに上昇した後10分まで持続する。顆粒の残りの>95%は、保留プールに属する。] [0039] その他の分泌顆粒は、例えば、ペプチドホルモングルカゴンを分泌する膵島のα-細胞の分泌顆粒、または成長ホルモンまたはプロラクチンを分泌する下垂体細胞の分泌顆粒である。] [0040] 本発明の別の好ましい態様において、(ii)の(ポリ)ペプチドは、SNAP-tagTM、HaloTag(登録商標)、またはIn-Cellテトラシステインタグである。 SNAP-tagTM(Covalys)は、in vitroでの、および生細胞中での、ほとんど全ての化学物質の目的のタンパク質への共有結合および特異的結合のために使用することができる(Keppler et al., 2003)。SNAP-tag技術は、DNA修復タンパク質O6-アルキルグアニン-DNAアルキルトランスフェラーゼ(AGT)のヒト型に基づく。AGTの生理学的機能は、DNAのグアニン塩基からアルキル基を除去して、細胞分裂中の変異を回避することである。その活性部位におけるシステイン残基が、アルキル基との間で共有かつ安定なチオエーテル結合を形成し、それにより脱-アルキル化されたもとのグアニン塩基が放出されるため、AGTは、古典的な自殺反応を受ける(Keppler et al., 2003;Daniels et al., 2000)。化学的化合物がベンジル基を介してグアニン塩基に結合できる場合に、AGTは、いずれかの化学的化合物を受容することができることが見出された。直接的な進化実験およびhAGTを用いたタンパク質操作により、遙かに速い反応速度を有するが、その他のバイオ分子(例えば二本鎖DNA)との相互作用を失っている、より小さな酵素が設計された(Juillerat et al., 2003)。SNAP-tagシステムの反応機構は、標的タンパク質のいずれかの所望の化合物または固相表面に対する共有かつ特異的な結合を可能にし、そしてそれ自体が本発明の方法におけるin vitro標識およびin vivo標識のために有用である。] [0041] HaloTag(登録商標)Interchangeable Technology(Promega)は、生細胞中またはin vitroにおいてタンパク質の迅速で、部位特異的で、そして不可逆的な標識化を可能にする。この技術は、HaloTagタンパク質、目的のタンパク質と融合された遺伝的に修飾されたデヒドロラーゼ(dehydrolase)、そして合成HaloTagリガンド、から構成される。融合タンパク質は、HaloTag(登録商標)-タンパク質のC-末端またはN-末端にて発現させることができる。HaloTagタンパク質と合成リガンドとの間の共有結合の形成は、蛍光、親和性タグ、そして固相表面への直接結合を含む、様々な官能基が関与することができる。] [0042] In-Cellテトラシステインモチーフを使用する標識化のために利用可能な標識化試薬は、Cys-Cys-Xaa-Xaa-Cys-Cysからなるテトラシステインモチーフに結合し、ここでCysは、システインに相当し、そしてXaaはシステイン以外のいずれかのアミノ酸に相当する。このモチーフは、天然に存在するタンパク質中には稀にしか見られず、それにより、TC-Tagに対して融合化した組換えタンパク質の特異的な蛍光標識が可能になる。TC-FlAsHTMTC-ReAsHTM II In-Cellテトラシステインタグ検出キット(全てInvitrogen)において、2ヒ素化合物に対してより高い親和性を有し、そして2ヒ素化合物に対してより迅速な結合を有することが示されたため、ならびにその他の特定されたモチーフと比較して安定性が向上したため、最適化されたCys-Cys-Pro-Gly-Cys-Cysテトラシステインモチーフを、このモチーフとして使用する。] [0043] 本発明のより好ましい態様において、SNAP-tagに対して結合する物質Bは、BTPである。 本発明のさらに好ましい態様において、SNAP-tagに対して結合する物質Aは、TMR-Star、BG-505、BG-430、またはBG-DAFである。] [0044] この態様の別の好ましい態様において、SNAP-tagに対して結合する物質Cは、TMR-Star、BG-505、BG-430、またはBG-DAFである。物質Cとして実験において適用される物質は、物質Aとして適用される物質とは異なる。] [0045] SNAP-tagのために利用可能な基質を、以下の表1に列挙する。さらなる基質は、国際特許出願WO2006/114409中に列挙される。] [0046] ] [0047] 第2の側面のさらに好ましい態様において、刺激は、化学物質であり、例えば、グルコース、アセチルコリン、グルカゴン-様ペプチド1、エクセナチド、スルホニルウレア、エンドスルフィン、メグリニチド、カリウム、カテコールアミン類、グルカゴン、ソマトスタチン、グレリン、ジアゾキシドである。] [0048] 本発明の別の好ましい態様において、検出またはモニタリングは、適切な波長で励起させた後の蛍光発光、化学発光、または吸光度を検出することにより行われる。 本発明のこの態様と関連して、蛍光発光を、蛍光顕微鏡を使用して検出する。] [0049] 蛍光顕微鏡は、反射および吸収の代わりにまたはそれらに加えて、蛍光およびリン光の現象を使用して、有機物質または無機物質の性質を研究するために使用される光学顕微鏡である。試料に、蛍光色素分子により吸収される特異的な(1または複数の)波長の光を照射し、それらからより長い波長の光(吸収された光とは異なる色の光)の放出を引き起こす。照射光は、発光フィルタを使用することを通じて、ずっと弱い放射蛍光から分離される。蛍光顕微鏡の典型的な構成成分は、光源(キセノンまたは水銀アーク-放電ランプ)、励起フィルタ、2色ミラー(または2色光束分割器)、そして発光フィルタ(以下の図を参照)である。フィルタおよび2色ミラーは、試料を標識するために使用される蛍光色素分子のスペクトル励起特性および発光特性に適合するように選択される。使用されているほとんどの蛍光顕微鏡は、エピ-蛍光顕微鏡である(すなわち:蛍光の励起および観測が、上記の(エピ)試料由来である)。これらの顕微鏡は、生物学の分野において重要な部分となっており、より進歩的な顕微鏡デザイン(例えば、共焦点レーザースキャニング顕微鏡および全内部反射蛍光顕微鏡(TIRF)など)についての扉が開かれている。] [0050] この態様のより好ましい態様において、物質Aおよび/または物質Cの存在についての検出は、定量的である。 定量的な検出は、特殊なソフトウェア、例えば、ImageJ、Metamorph、Motiontracking、IPLab、およびその他のものなどを使用して行うことができる。] [0051] 本発明のさらに好ましい態様において、融合タンパク質をコードする核酸を細胞中に導入した後、融合タンパク質を発現させる。核酸分子の細胞中への導入は、核酸をトランスフェクトすることにより行うことができる。トランスフェクションについての一般的に使用される方法は、リポフェクション、塩化カルシウム、ポリエチレンイミン誘導体、DEAE-デキストラン、遺伝子銃、エレクトロポレーション、ヌクレオポレーション、マグネトフェクション、マイクロインジェクション、およびウイルスベクターを使用するトランスフェクションを含むが、これらには限定されない。] [0052] 本発明の第一の側面の別の好ましい態様において、この方法は、工程(a)、工程(b)、工程(c)および/または工程(d)の後に細胞を洗浄する工程をさらに含む。第2の側面のさらに好ましい態様において、この方法は、工程(a)、工程(b)、工程(c1)、工程(d1)、工程(c2)および/または工程(d2)の後に、細胞を洗浄する工程をさらに含む。] [0053] 洗浄は、培養液、PBSまたは細胞を洗浄するために適したバッファー(例えば、リンガー溶液およびHEPESバッファー)のいずれかを用いて行うことができる。洗浄の期間は、素早いすすぎから数分間(例えば、2〜10分)まで、変更することができる。上述の複数の方法工程のそれぞれ一つまたはそれらの方法工程のいずれかの組合せの後に、洗浄工程を行ってもよい。各工程の後、1またはそれ以上の洗浄工程を行うことができる。] [0054] 本発明のより好ましい態様において、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチドは、インスリン、フォグリン(phogrin)、ICA512、カルボキシペプチダーゼ(carboxipeptidase)E/H、クロモグラニンA、クロモグラニンB、セクレトグラニンII、タンパク質転換酵素(protein convertase)1または2、アミリンまたはその他のSG-特異的神経ペプチド内分泌ホルモン(例えば、成長ホルモン、プロラクチン、ANP、およびNPY)である。] [0055] 本発明のさらに好ましい態様において、物質Aおよび物質Cの検出のための別個の手段は、異なる励起波長および/または発光波長である。 本発明の別の好ましい態様において、物質Aまたは物質Cまたはその両方は、1.(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位に特異的に結合する部分、および2.検出可能な部分、を含む。両方の性質、すなわち、(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の特異的な結合部位、および検出可能性を付与する性質は、1つの部分に存在するものであってもよい。] [0056] 第一の側面の異なる好ましい態様において、この方法は、細胞と、(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的化する物質Dとを接触させ、工程(d)の後に、そして非結合の物質Cが細胞から除去されるようにする工程の後または非結合の物質Cを細胞から除去する工程の後に、結合に関して利用可能になることをさらに含む。] [0057] 本発明のこの態様により、異なる古さ(age)のSGの3つの異なる集団を標識することができる。 上述したように、別個の手段により検出可能な十分な数の物質であって(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の共通の結合部位に対して結合するものの利用可能性に際して、3よりも多い(例えば、4、5または6の)SGの異なる集団を、それぞれの物質に関して工程(c)および工程(d)、場合によっては工程(b)を繰り返すことにより、それらの古さ(age)にしたがって標識することができる。したがって、4種の異なる物質に関して、工程(c)に従う工程は、非結合の物質D(工程(c)に対応する工程の前に工程(b)を適用する場合には、場合により物質B)を細胞から除去させる工程または非結合の物質D(または工程(c)に対応する工程の前に工程(b)を適用する場合には、場合により物質B)を細胞から除去する工程を含み;および工程(d)に従う工程は、細胞と(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的化する物質Eとを接触させ、先行する工程の後に結合に関して利用可能になることを含む。] [0058] 異なる態様において、本発明は、均質に標識化されたSGまたはそれらの古さ(age)にしたがって区別して標識化されたSGから分泌された物質を検出する方法に関し、以下の工程:(a)SGを形成することができ、そして1.SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド(ここで、(ポリ)ペプチドはそれに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する)、または2.以下の(i)および(ii)を含む融合タンパク質、(i)SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、および(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド、(ここで、物質A〜物質Cは、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは、別個の手段により検出可能なものである)、を発現することができる細胞であって、(I)請求項1〜18のいずれか1項に記載される方法にしたがって処理されたもの;または(II)結合部位を標的化する物質と接触されたもの;を、その培養液から分離する工程;(b)存在するならばSGを標識化するために適用するいずれかの検出可能な物質の存在を、培養液中で検出する工程;を含み、ここで、培養液中での1またはそれ以上の物質の検出はSG由来の分泌が生じたことを示す。] [0059] 区別して標識化されたSGを細胞中で検出するさらに上述した方法とは対照的に、本発明の方法は、どのSGが培養液中に分泌されるかを調べる。したがって、本発明の方法は、異なる古さ(age)のSGの分泌ならびに刺激により引き起こされるSGの分泌を検出することができる。] [0060] 本発明はさらに、(i)SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、および(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド、を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む非-ヒトトランスジェニック宿主動物に言及し;ここで、前記物質は、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは別個の手段により検出可能なものである。] [0061] 好ましい態様において、非-ヒトトランスジェニック宿主動物は、動物である。 トランスジェニック非-ヒト動物は、例えば、トランスジェニックのゼブラフィッシュ、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、サル、ウサギ、ブタ、またはウシであってもよい。好ましくは、このトランスジェニック非-ヒト動物はマウスである。] [0062] トランスジェニック非-ヒト動物、例えば、トランスジェニックマウス、の作出のための方法は、生殖細胞、胚細胞、幹細胞、または卵、または卵から由来する細胞中に、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドまたはターゲティングベクターを導入することを含む(例示的な戦略について、図18を参照)。場合によってはその天然の環境(例えば、膵島の場合には膵臓)とは異なる環境下におかれた、非-ヒト動物、特にそのような動物から単離された初代β-細胞または膵島、を、上述した本発明の方法において使用することができる。例えば、膵島発生のための生理学的環境は、単離された膵島をマウスの目に移植することにより作り出すことができる(Speier et al., 2008)。] [0063] トランスジェニック胚の作製およびそれらのスクリーニングは、例えば、A. L. Joyner Ed., Gene Targeting, A Practical Approach(1993), Oxford University Pressにより記載された様に行うことができる。胚の胚膜のDNAを、例えば、適切なプローブを使用するサザンブロットを使用して解析することができる;上述を参照。トランスジェニック非-ヒト動物を作製する一般的な方法は、当該技術分野において記述されている(例えば、WO 94/24274を参照)。トランスジェニック非-ヒト生物(相同的にターゲティングされた非-ヒト動物を含むもの)を作出するため、胚性幹細胞(ES細胞)が好ましい。マウスES細胞(例えば、有糸分裂的に不活性なSNL76/7細胞フィーダーレイヤー上で増殖させたAB-1株)(McMahon and Bradley, Cell 62:1073-1085 (1990))(本質的には、Robertson, E. J. (1987) in Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach. E. J. Robertson, ed. (Oxford: IRL Press), p. 71-112に記載されるもの)を、相同性遺伝子ターゲティングのために使用することができる。その他の適切なES株には、E14株(Hooper et al., Nature 326:292-295 (1987))、D3株(Doetschman et al., J. Embryol. Exp. Morph. 87:27-45 (1985))、CCE株(Robertson et al., Nature 323:445-448 (1986))、AK-7株(Zhuang et al., Cell 77:875-884 (1994))が含まれるが、これらには限定されない。特異的にターゲティングされた変異を持つES細胞由来のマウス株を作製することに成功するかどうかは、ES細胞の多能性(すなわち、いったん胚(胚盤胞または桑実胚など)を発生させる宿主中に注入された場合、胚発生に参加しそして得られた動物の生殖細胞に寄与するその能力)に依存している。注入されたES細胞を含有する胚盤胞を、偽妊娠非-ヒトメス動物の子宮中で発生させ、そして例えば、キメラマウスとして出産させる。得られたトランスジェニックマウスは、リコンビナーゼまたはリポーター遺伝子座のいずれかを有する細胞に関してキメラであり、そして戻し交配させて、正しくターゲティングされた(1または複数の)トランスジーンの存在について、新生仔の尾のバイオプシーDNAに対するPCRまたはサザンブロット解析によりスクリーニングし、それによりリコンビナーゼまたは(1または複数の)リポーター遺伝子座のいずれかに関してヘテロ型であるトランスジェニックマウスを同定する。] [0064] トランスジェニック宿主動物は、細胞、すなわち、原核細胞または真核細胞であってもよい。本発明に関連して、トランスジェニック細胞は、本発明の融合タンパク質をコードする核酸により安定的にトランスフェクトされた細胞(真核細胞)または形質転換された細胞(原核細胞)である。トランスフェクション技術(例えば、リポフェクチンまたはCaCl2を使用したトランスフェクション)、および形質転換技術(例えば、エレクトロポレーションまたは熱ショックを使用したもの)が、当業者に周知である。] [0065] 好ましい態様において、SGは、インスリン顆粒であり、そして事項(i)の(ポリ)ペプチドは、インスリン顆粒に対して特異的である。 好ましい態様において、事項(ii)の(ポリ)ペプチドは、SNAP-tag、HaloTagまたはIn-Cellテトラシステインタグである。] [0066] 本発明のより好ましい態様において、SNAP-tagに対して結合する物質Bは、BTPである。 本発明のさらに好ましい態様において、SNAP-tagに対して結合する物質Aは、TMR-Star、BG-505、BG-430またはBG-DAFである。] [0067] 別の好ましい態様において、SNAP-tagに対して結合する物質Cは、TMR-Star、BG-505、BG-430、またはBG-DAFである。物質Cとして実験に適用される物質は、物質Aとして適用される物質とは異なる。] [0068] 本発明の好ましい態様において、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチドは、インスリン、フォグリン(phogrin)、ICA512、カルボキシペプチダーゼ(carboxipeptidase)E/H、クロモグラニンA、クロモグラニンB、セクレトグラニンII、タンパク質転換酵素(protein convertase)1または2、アミリンまたはその他のSG-特異的神経ペプチド内分泌ホルモン(例えば、成長ホルモン、プロラクチン、ANP、およびNPY)である。] [0069] 別の好ましい態様において、物質Aおよび物質Cの検出のための別個の手段は、異なる励起および/または発光波長である。 本発明の別の好ましい態様において、物質Aまたは物質C、またはその両方は、1)(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位に特異的に結合する部分、および2)検出可能な部分、を含む。] [0070] 本発明の方法の好ましい態様において、SGを形成することができる細胞は、トランスジェニック動物、好ましくは本発明のトランスジェニックマウス、から単離された膵島(islets)由来の初代β-細胞である。] [0071] 本発明の第1の態様および第2の態様に従う方法の別の好ましい態様において、この方法はさらに、工程(a)の対象となる細胞と、細胞内で既に存在している(発現されている)(ポリ)ペプチド上の結合部位をブロックする物質Bとを接触させる工程、そして非結合の物質Bが細胞から除去されるようにする工程、または非結合の物質Bを細胞から除去する工程、をさらに含む。] [0072] 本発明の発明者らは、本発明に従う標識した(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位をブロッキングする最初の工程により、その後に標識されるSGのより正確な古さ(age)判定が可能になることを見出した。このように、区別して標識されたSGの古さ(age)の識別が可能であるだけでなく、最初に標識したSGの古さ(age)の正確な判別も可能である。] [0073] 細胞を物質Bと接触させた後、物質Bの適用後に形成されたSG中の結合部位が同様にブロッキングされ、そしてしたがって物質Aに対する結合のためにもはや利用可能ではないということを避けるため、余剰の物質Bを除去することが必要である。新たに形成されるSGを標識することができ、そして新たなSGを形成させるために選択された時間枠は、引き続いて物質Aにより標識されるSGの実質的に均一な古さ(age)を決定する。] [0074] 図面は以下を示す: 図1:クローニング戦略のフローチャート シグナルペプチド配列(S)およびCペプチドと一緒にB鎖およびA鎖についてのコード配列を含む、ヒトインスリンのcDNA(NCBI Genbankアクセッション番号:NM 000207)を、SNAP tagとともにインフレームでクローニングした。得られた構築物を、pEGFP-N1ベクター(NCBIGenBankアクセッション番号:U55762)中にクローニングし、発現ベクターpEG-Ins-SNAPを作成する。S - シグナルペプチド配列、B - B鎖配列、C - Cペプチド配列、A - A鎖配列、CMV -サイトメガロウィルスプロモータ、SNAP - SNAP tag、EGFP -高感度GFP。] [0075] 図2: (a)インスリノーマINS-1細胞中のhINS-SNAPおよびICA-512-GFPの共局在化 INS-1細胞を、hIns-SNAPを保持するプラスミドおよびICA-512-GFPを保持するプラスミドを用いてコトランスフェクトした(Trajkovski et al, 2004)。hIns-SNAPを、TMR-Starを用いて標識し、そして両タンパク質の局在を、共焦点顕微鏡を用いて観察した。] [0076] (b)図2aに示される同一細胞における赤色蛍光チャネルおよび緑色蛍光チャネル両方についての共局在化ピクセル(白色、左パネル)およびそれ由来の散布プロット(右パネル)。散布プロットは、ImageJ画像解析ソフトウェアプログラムを使用して作製し、そしてhINS-SNAPのSGマーカーICA-512-GFPとの共局在化と一致する、両チャネルからのピクセルのクラスター化を示す。] [0077] 図3:hINS-SNAPトランスフェクトINS-1細胞におけるSGのIn vivo標識 hINS-SNAPを発現するINS-1生細胞のTMR-Starでの15分間の標識の後に、細胞をBTPにより20分間インキュベーションして、SNAP-tag上の残りの結合部位をブロッキングした。培養液中にてさらに4時間インキュベーションした後、次いで、細胞をBG505とともに15分間インキュベーションして、新たに生成されたhINS-SNAPを標識した。古いSGおよび新たに生成されたSGを、それぞれTMR-Star(赤色)およびBG505(緑色)により区別して標識することに基づいて、識別することができた。] [0078] 図4:分泌顆粒のIn vivo標識 hINS-SNAPを発現するINS-1生細胞のTMR-Starでの、15分間の標識。培養液中にてさらに4時間それらをインキュベーションした後、次いで、細胞をBG505とともに15分間インキュベーションして、新たに生成されたhINS-SNAPを標識した。この場合、BTPでのブロッキング工程を省略することにより、古いSGと新たに生成されたSGとが、それぞれTMR-StarおよびBG505により区別して標識されることができなかった。] [0079] 図5: (a)図2bのレジェンドに記載された同一の手順を使用した、図3に示された画像(重ね合わせパネル)および図4に示された画像(重ね合わせパネル)の共局在化ピクセル。TMR-StarおよびBG505での連続的な標識化の間にBTPを用いたブロッキング工程を挿入した場合には、共局在化(白色ピクセル)は何も検出されなかった。逆に、BTPを用いたブロッキング工程を省略した場合には、多数の共局在化ピクセルが検出された。] [0080] (b)図3に示された画像(重ね合わせパネル)および図4に示された画像(重ね合わせパネル)に由来する、共局在化ピクセルの散布プロット。赤色ピクセルおよび緑色ピクセルのあいだでの共局在化が存在しない場合、それぞれの軸に対して各々が平行である2つの発散雲(diverging clouds)が形成される。] [0081] 図6: 休止(R)および刺激された(S)hINS-SNAPでトランスフェクトされたINS-1細胞の、培養液中のヒトインスリン(白棒)および細胞抽出物中のヒトインスリン(黒棒)の測定値。休止バッファは、0 mMグルコースおよび5 mM KClを含有するが、一方刺激バッファは25 mMグルコースおよび55 mM KClを含有する。ヒトインスリンの量は、ヒトインスリンには反応するがラットインスリンには反応しない抗体を含むLINCORIAキットを使用して、特異的に評価した。野生型INS-1細胞およびSNAPトランスフェクトINS-1細胞の培養液中および細胞抽出物中で検出された非常に低いシグナルは、この抗-ヒトインスリン抗体の、ウシインスリン(INS-1細胞を培養するために使用されたウシ胎児血清中に見出されたもの)との部分的反応性(62%)が原因となるものである。] [0082] 図7: 休止(R)および刺激された(S)、hINS-SNAPでトランスフェクトされたINS-1細胞のインスリン刺激指数(SI)。このSIは、次の式にしたがって計算された:] [0083] ] [0084] ここで、] [0085] ] [0086] に対応する値を、100%とした。刺激された細胞から放出されたhINS-SNAPの画分の増加は、SGへのその適切な標的化およびその制御された分泌と一致している。 図8: hINS-SNAPで安定的にトランスフェクトされたINS-1細胞クローンのいくつかの細胞におけるTMR-Star(赤色)での蛍光標識を示す(左パネル)。野生型INS-1細胞のTMR-Starでの蛍光標識は、陰性である(右パネル)。] [0087] 図9および図10: INS-1細胞の培養液およびINS-1細胞の細胞抽出物中での、ヒトインスリン(図9)およびヒトC-ペプチド(図10)の、ラジオイムノアッセイ(RIA)による定量。INS-1細胞は、SNAPまたはhINS-SNAPをコードするプラスミドによりトランスフェクトされていない(非トランスフェクト)か、またはそのプラスミドによりトランスフェクトされたものであった。次いで、細胞を、2.8 mMグルコースおよび5 mM KCl(休止バッファ)または25 mMグルコースおよび55 mKCl(刺激バッファ)のいずれかを含有する等張性塩類バッファを用いて、2時間インキュベーションした。] [0088] 図11および図12: 図9および図10のレジェンド中に記載された同一のプロトコルを用いて刺激された、トランスフェクトされたINS-1細胞の培養液中でのhINS-SNAPの蛍光検出を示す。hINS-SNAPは、BG505またはTMR-Starのいずれかにより標識された。図11および図12は、それぞれ、緑色チャネル(発光フィルタ:535/25 nm)および赤色チャネル(発光フィルタ:590/20 nm)で検出された蛍光シグナルを示す。A)古いhINS-SNAPおよび新たに生成されたhINS-SNAP、すなわち、古い分泌顆粒(SG)および新たに生成された分泌顆粒(SG)、が、図3ののレジェンドに記載された同一のプロトコルにしたがって、TMR-Star(赤色hINS-SNAP)およびBG505(緑色hINS-SNAP)を用いてそれぞれ標識された。B)およびC)古いSGのみが、BTPでのブロッキング工程の後に第2の蛍光色素分子とともにインキュベーションすることを省くことにより、BG505(緑色hINS-SNAP;B)またはTMR-Star(赤色hINS-SNAP;C)のいずれかにより標識された。D)およびE)水中で検出されたバックグラウンド蛍光(D)またはhINS-SNAPを発現するがBG505またはTMR-Starでは標識していないトランスフェクトINS-1細胞の培養液中で検出されたバックグラウンド蛍光(E)。] [0089] 図13〜16: インスリンおよびERのマーカー(タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、PDI)、ゴルジ複合体の初期嚢のマーカー(130 kDaのゴルジマトリクスタンパク質、GM130)、トランス-ゴルジネットワークのマーカー(TGN38)、および初期エンドソームのマーカー(初期エンドソーム抗原-1、EEA1)についての二重蛍光標識。トランスフェクトINS-1細胞中のhINS-SNAPの分布を、TMR-Starでの標識により可視化し、一方トランスフェクトされていないINS-1細胞中の内在性インスリンの分布およびその他の全てのタンパク質の分布を、特異的一次抗体、その後Alexa-結合型二次抗体を使用して検出した。] [0090] 図17: hIns-SNAP-トランスフェクトINS-1細胞の細胞内画分に対するウェスタンブロット。hIns-SNAP-トランスフェクトINS-1細胞の核沈殿後(Post-nuclear)上清を、0.6〜2.0 Mの連続スクロース密度勾配上で分離した。等容量の勾配の一部を回収し、各画分のスクロースモル濃度を屈折率に基づいて計算し、各画分中のタンパク質を有機溶媒を用いて沈殿させ、そしてその後SDS-PAGEにより分離した後に、トランスファーおよびインスリンのA-鎖およびインスリンSGのマーカーであるカルボキシペプチダーゼE(CPE)および膵島細胞自己抗原512(ICA512)、そしてゴルジ複合体の初期嚢(GM130)、に対する抗体を用いたイムノブロットを行った。] [0091] 図18: ノックインmIns2-SNAPマウスの作出の例示的ストラテジーを示す。スキームには、マウスIns2遺伝子についてのターゲティングカセットの作製までの全ての工程が含まれる。] [0092] 以下の実施例は、本発明を説明する。] [0093] 実施例1:クローニング戦略 インスリン分泌顆粒(SG)の古さ(age)にしたがってSGを区別して標識するための例示的な方法は、発現およびキメラヒトインスリン(hINS-SNAP)の膵臓β細胞のモデルシステムであるラットインスリノーマINS-1細胞のSGに対する正しい標的化に依存する。hINS-SNAPと呼ばれるこのキメラタンパク質は、プレプロインスリンを20kDaタンパク質〜SNAP-tagTMとともにインフレームでコードするcDNAをクローニングすることにより作製した。] [0094] SNAP-tagTMは、市販されており(Covalys)、アルキルグアニンDNAアルキルトランスフェラーゼ(DNA修復タンパク質)の非常に改変されたバージョンである。それは、ベンジルグアニン基質と反応して、基質との間に安定なチオエーテル結合を形成する。この反応は、非常に特異的である(Tirat at al., Int J Biol Macromol, 2006)。] [0095] クローニング戦略は、制限酵素部位EcoRIおよびNotIを使用してpEGFP-N1ベクター中にクローニングされたhIns-SNAPカセットを生成することを意味する(概観のために図1を参照)。EGFPをコードするpEGFP-N1の部分は、事前にベクターから切り出した。pEGFP-N1を選択した理由は、以前の実験で、それがトランスフェクト細胞中で、非常に強力でそして安定な発現を示したためである。] [0096] 実施例2:共局在化の結果I hINS-SNAPのSGへの正しい局在化を、2つのプラスミド(すなわち一つはhINS-SNAPを有するものであり、もう一つはインスリン-含有SGの内因性(intrinsic)膜タンパク質であるICA512を有するものである)を用いてトランスフェクトされた細胞中でアッセイされた(Solimena et al.,EMBO J., 1996;Ort et al., EMBO J., 2001;Trajkovski et al., J. Cell Biol., 2004)。ICA512をEGFPを保持するプラスミド中にクローニングし、そしてICA512-EGFPがSGへと標的化されることが示された。図2aは、hINS-SNAPおよびICA512-GFPが両方とも、同一のオルガネラ、すなわち、SGへと標的化されることを示す。] [0097] hINS-SNAPを、INS-1生細胞中で、細胞透過性SNAP蛍光基質TMR-Star(赤色)(Covalys)を用いて標識し、これは以下の特性:すなわち、励起波長554 nm、発光波長580 nm;を有する。] [0098] 本発明者らの研究室において最適化された標識プロトコルは、以下の通りである。細胞を、トランスフェクション後4日目に標識した。標識は、通常培地(ウェルあたり1 ml)(RPMI1640、1×、L-グルタミン(PAA)、10 mMHEPESpH 7.4、10%FBS(Gibco)、1 mM Na-ピルビン酸(PAA)、2 mM L-グルタミン(PAA)、50β2-メルカプトエタノール、100 U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(Penstrep, PAA)を含む)中、2μMTMR(赤色)とともに15分間行い、その後PBSを用いて2回洗浄した。TMR標識および固定化の終了後の時間は、4時間であった。この時間の間、細胞をSNAP基質を含まない培養液中でインキュベーションし、そして2回の追加的な洗浄を行った:PBSを用いて2回、そして培養液を用いて2回である。この時間は、非結合TMR-Starを細胞から完全に取り除くために必要であり、画像採取のあいだのバックグラウンドシグナルを減少させた。] [0099] 固定化の前、細胞をPBSを用いて2回洗浄し、次いで固定化し(4%PFA、pH:7.4、4℃にて10分間)、そして包埋した(DAPIを含むProLong Gold退色防止剤、P36931、Molecular Probes)。] [0100] 画像を、Zeiss Axiovert 200M共焦点顕微鏡およびZeiss LSM510AIMVersion 4.0ソフトウェア(Zeiss Plan-Apochromat 63x/1.4 Oil, Zeiss LSM 510 Scanhead with Photomultiplier Tubes,赤色チャネル:LP575、緑色チャネル:BP 505-550)を用いて取得した。] [0101] 実施例3:共局在化の結果II 回収された画像を、画像解析ソフトウェア(ImageJ, NIH)を使用して処理した。このプログラムは、取得された画像の緑色チャネル(発光ピーク波長:509 nm)および赤色チャネル(発光ピーク波長:580 nm)からの共局在化ピクセルを示す画像を作成することができる。] [0102] 共局在を示すための別の可能性は、画像の‘散布プロット’を作成することである。本件の場合、各チャネルのピクセルを、それらの強度との関連でプロットする。共局在が生じる場合、本件の場合の様に、散布プロットは中央軸周辺の雲に似た特異的な形状を有する(Bolte et al., Journal of Microscopy, Dec 2006)(図2bを参照)。] [0103] 実施例4: INS-1生細胞の標識 固定INS-1細胞においてhIns-SNAPのインスリン分泌顆粒への正しい標的化を調べることにより、phIns-SNAPによりトランスフェクトした4日後に、INS-1生細胞を標識した。2色標識を、以下のスキームに従って行った: 最初の標識化を正常培養液(ウェルあたり1ml)中2μMTMR(赤色)を用いて15分間行い、その後、2×PBSでの洗浄、およびSNAP基質を含まない培養液中で30分間のインキュベーションを行った。10μMBTPを用いた標識を、20分間持続させ、その後、PBSを用いた2回の洗浄およびBTPを含まない培養液中での30分のインキュベーションを行った。BTP投与とBG505(緑色)投与との間の間隔は、4時間の長さであり、その結果未結合のBTPのいずれも、細胞から除去されるための十分な時間であり、したがって新たに合成されたhIns-SNAPの標識を可能にする。この期間のあいだ、2回の追加の洗浄を行った:PBSを用いて2回、そして培養液を用いて2回である。] [0104] 次いで、細胞を10μM BG505とともに30分間インキュベーションし、その後PBSを用いて2回洗浄し、培養液中で30分間インキュベーションし、そしてさらにPBSで洗浄した。最後の洗浄の後、細胞を固定し(4%PFA、pH:7.4で4℃にて10分間)、そして包埋した(DAPIを含むProLong Gold退色防止剤、P36931、Molecular Probes)。] [0105] 1〜10μMの範囲の様々な濃度のブロッカーを用いた実験を、BTPを用いない対照標識反応と比較した(図4および図5を参照)。結果から、BTPを適用した後に細胞を第2のSNAP-基質(BG505)に対して曝露することにより、2種の古さ(age)の異なる顆粒集団の検出が可能になることが明らかに示される(赤色=古い顆粒;および緑色=新たな顆粒;図3を参照)。BTPブロッカーが省略される場合、顆粒はその代わりにTMRおよびBG505により二重に標識され、古さ(age)による区別が不可能になる(図4を参照)。] [0106] 実施例5:共局在化の結果III、IV 取得された画像のソフトウェア解析は、両チャネルからの共局在化ピクセルを示す画像の生成を可能にし、そして特徴的な散布プロットもまた可能にする。TMR、10μMBTP、そしてBG505に連続的に曝露された細胞の標識化から得られる散布プロット上のピクセル分布は、各軸の近傍に2つの独立した雲の形状を有しており、これはTMRおよびBG505により標識されたオルガネラ間での共局在が存在しないことを示唆する(図5b、左パネルを参照)。対照的に、SNAPブロッカーBTPの干渉なしにTMRおよびBG505蛍光色素分子に連続的に曝露された細胞から取得された画像の散布プロットは、中間軸付近に雲の形状を維持した(図5b、右パネルを参照)。Bolteらにしたがって算出された算出ピアソン係数(10μM BTP:0.515;0μM BTP:0.829)は、この解釈と一致している。] [0107] 実施例6:回転円板顕微鏡 画像化を、hIns-SNAPを発現するINS-1生細胞に対して行い、そして実施例4に記載される2色標識プロトコルにしたがって処理した。最後のPBSでの洗浄の後、細胞を培養液中でインキュベーションし、そして顕微鏡により観察した。画像を、142.7msの露光時間で20フレーム/秒の速度で採取し、全250フレームを得た。Z-次元の約500 nmの例示的な光学的フレームを選択し、そして共焦点スピニングディスク顕微鏡により取得した(最大強度照射)(Dual Spinning Disk Confocal Microscopy -Revolution, Andor Technologies)。この場合、顕微鏡焦点は、標識されたINS-1細胞の中心に対応して位置づけられた。SGを含有する別個のhIns-SNAPの顆粒の数、密度、速度、平均二乗変位、などに関する解析が進行中である。] [0108] 実施例7:TIRF顕微鏡 画像化を、hIns-SNAPを発現するINS-1生細胞に対して行い、そして実施例4に記載される2色標識プロトコルにしたがって処理した。画像を、100 msの露光時間で20フレーム/秒の速度で採取し、全1000フレームを得た。スライド10は、全反射顕微鏡(Olympus IX 71, Andor iXon+ DU 897E, OlympusPLAPO 100x/1.45 TIRFM, AndorIQversion 1.7)により得られたZ-次元の約100 nmのフレームであって、標識されたINS-1細胞の細胞膜領域に対応したものを示す。] [0109] SGを含有する別個のhIns-SNAPの顆粒の数、密度、速度、平均二乗変位、などに関する解析が進行中である。 実施例8:ヒトインスリン特異的RIA hINS-SNAPが、内在性インスリンと同様に、制御された様式で分泌されるかどうかを調べるため、INS-1細胞からのhINS-SNAPの放出を、ヒトインスリンに対して特異的なラジオイムノアッセイ(Linco, HI-14K)を使用して、測定した。細胞をpEG-Ins-SNAPを用いてトランスフェクトし、そして休止バッファを用いて1時間インキュベーションし、その後刺激した。次いで、刺激バッファを1.5時間または2時間適用し、そして培養液を回収して凍結した。インスリン含有物を、確立されたプロトコルを使用して細胞から抽出した。RIA測定により、刺激された際に細胞からヒトインスリンが分泌されることが示された(図6および図7および図9を参照)。] [0110] これらの結果は、トランスフェクトされた細胞からのhINS-SNAPのグルコース刺激性放出を確認する。特に、ヒトインスリンを測定するために使用されたRIA(図9)は、成熟インスリンと反応するのみであり、一方それはヒトプロ-インスリンとは交差反応せず、INS-1細胞中で内在的に発現されるラットインスリンとも交差反応しない。従って、これらのデータは、INS-1細胞がヒトプロ-インスリン-SNAPをインスリン-SNAPへと適切に変換すること、そして後者が正しく折り畳まれることを確認する。これらの結論は、インスリン(図9)がヒトC-ペプチド(図10)と比較して1:1の比で放出されるという証拠によりさらにサポートされる。] [0111] 実施例9:蛍光標識されたhIns-SNAPの測定 hINS-SNAPを、BG505またはTMR-Starのいずれかにより標識した。図11および図12は、緑色チャネル(発光フィルタ:535/25 nm)および赤色チャネル(発光フィルタ:590/20 nm)でそれぞれ検出される蛍光シグナルを示す。A)古いhINS-SNAPおよび新たに生成されたhINS-SNAP、すなわち、古い分泌顆粒(SG)および新たに生成されたSGを、図3のレジェンドに記載されるプロトコルに従って、TMR-Star(赤色hINS-SNAP)およびBG505(緑色hINS-SNAP)を用いてそれぞれ標識した。B)およびC)古いSGのみが、BTPを用いたブロッキング工程の後の第2の蛍光色素分子とともにインキュベーションすることを省略することにより、BG505(緑色hINS-SNAP;B)またはTMR-Star(赤色hINS-SNAP;C)のいずれかにより標識された。D)およびE)水(D)またはhINS-SNAPを発現するが蛍光物質では標識されていないトランスフェクトされたINS-1細胞の培養液(E)中で、バックグラウンド蛍光が検出された。これらの新たな結果は、蛍光標識されたhIns-SNAPは、より多くの労働力を必要とし、時間を必要とし、そして高価な抗体に基づくアッセイ(RIAおよびELISAなど)を使用することに依存することなく、蛍光光度法により確実にそして簡便に測定することができる。さらに、これらのデータは、古いhINS-SNAPと比較して、新たに合成されたhINS-SNAPの優先的な放出を示す(図11のAおよびBのシグナルレベルを比較する)。] [0112] 実施例10:hIns-SNAPの局在化 インスリン、およびERのマーカー(タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、PDI)、ゴルジ複合体の初期嚢のマーカー(130 kDaのゴルジマトリクスタンパク質、GM130)、トランス-ゴルジネットワークのマーカー(TGN38)および初期エンドソームのマーカー(初期エンドソーム抗原-1、EEA1)に対する二重蛍光標識。トランスフェクトされたINS-1細胞中でのhINS-SNAPの分布は、TMR-Starを用いた標識により可視化されたが、一方トランスフェクトされていないINS-1細胞中の内在性インスリンの分布およびすべてのその他のタンパク質の分布を、特異的一次抗体、その後Alexa-結合二次抗体を使用して、検出した。これらの結果から、hINS-SNAPは内在性ラットインスリンと同様にER中(図13)そして初期エンドソーム中(図16)では濃縮されず、一方、ゴルジ画分中で検出可能である(図14および図15)ことが示される。] [0113] Zeiss Axiovert 200M共焦点顕微鏡およびZeiss LSM510AIMVersion 4.0ソフトウェア(Zeiss Plan-Apochromat 63x/1.4 Oil, Zeiss LSM 510 Scanhead with Photomultiplier Tubes、蛍光色素分子の組合せに対して、赤色チャネル:LP575、緑色チャネル:BP 505-550、ブリードスルー現象(bleed-through)が緑色チャネル中で赤色チャネルから検出された場合、より狭いフィルタBP 505-530を使用した)を使用して、画像を取得した。] [0114] 実施例11:単離されたSGを含有する画分中でのSGマーカーCPEおよびICA512とhINS-SNAPとの同時の移動および初期ゴルジ嚢マーカーGM130との比較 hIns-SNAPトランスフェクトINS-1細胞の細胞内画分に対するウェスタンブロットを行った。hIns-SNAPトランスフェクトINS-1細胞の核沈殿後の上清を、0.6〜2.0 Mの連続スクロース密度勾配上で分離した。プロ-hINS-SNAPおよびA-鎖SNAPの両方ともを、約30.7 kDおよび約23.8 kDの予想分子量で検出し、そして1.3〜1.7 Mスクロースを用いて画分中で濃縮した。ここでは、一番早い(処理された)種であるCPE(図17A)およびICA512(図17B)の濃縮により示されるように、成熟インスリンSGが見いだされる。GM130の濃縮により示されるように(図17C)、プロ-hINS-SNAPの2番目のピークが、ゴルジ嚢が見いだされたより軽い画分中で検出された(図17A)。] 実施例 [0115] 参考文献 Alarcon, C., Lincoln, B., Rhodes, C.J.: The biosynthesis of the subtilisin-related proprotein convertase PC3, but no that of the PC2 convertase, is regulated by glucose in parallel to proinsulin biosynthesis in rat pancreatic islets. 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权利要求:
請求項1 異なる古さ(age)の分泌顆粒(SG)の古さ(age)にしたがってSGを区別して標識することにより、細胞内の異なる古さ(age)のSGを検出するin vitro方法であって、以下の工程:(a)SGを形成することができ、そして以下のもの:1)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド;または2)以下の(i)および(ii)を含む融合タンパク質(i)SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、および(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド;ここで、物質A〜物質Cは、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは別個の手段により検出可能である;を発現することができる細胞と、前記結合部位を標的化する物質Aとを接触させる工程;(b)前記細胞と、物質Aにより結合されていない結合部位をブロックする物質Bとを接触させることにより、前記結合部位を飽和させる工程;(c)非結合の物質Bが細胞から除去されるようにする工程、または非結合の物質Bを細胞から除去する工程;(d)前記細胞と、(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的化する物質Cとを接触させ、工程(b)の後に結合のために利用可能にする工程;そして(e)検出可能な物質Aおよび物質Cの両方の存在について検出する工程;ここで、物質Aおよび物質Cの両方の同時検出が、異なる古さ(age)を有するSGの2種の集団の存在を示す、を含む、前記in vitro方法。 請求項2 分泌顆粒(SG)の古さ(age)にしたがって区別して標識されたSGに対する、刺激の作用を細胞内で研究するin vitro方法であって、以下の工程:(a)SGを形成することができ、そして以下のもの:1.それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド;または2.以下の(i)および(ii)を含む融合タンパク質(i)SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、および(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド;ここで、物質A〜物質Cは、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは別個の手段により検出可能なものである;を発現することができる細胞と、a.前記結合部位を標的化する物質Aとを接触させ;そして前記細胞と、物質Aにより結合されていない結合部位をブロックする物質Bとを接触させることにより残りの結合部位を飽和させる工程;またはb.結合部位を飽和させるために十分な量の、結合部位をブロックする物質Bと接触させる工程;(b)非結合の物質Bが細胞から除去されるようにする工程、または非結合の物質Bを細胞から除去する工程;(c1)刺激を細胞に対して適用する工程;(d1)前記細胞と、工程(c)のあいだおよび/または工程(c)の後に発現される(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的とする物質Cとを接触させる工程;そして(e1)物質Aおよび/または物質Cの存在を検出しおよび/または工程(a)および工程(d1)において得られた区別して標識されたSGの数、サイズ、運動性、細胞内の位置、および/または分泌をモニタリングする工程;または(c2)前記細胞と、工程(c)のあいだおよび/または工程(c)の後に発現される(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的化する物質Cとを接触させる工程;(d2)刺激を細胞に対して適用する工程;そして(e2)物質Cの存在を検出しおよび/または工程(a)および工程(c2)において得られた区別して標識されたSGの数、サイズ、運動性、細胞内の位置、および/または分泌をモニタリングする工程;を含む、前記方法。 請求項3 (i)SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、および(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド;を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む非-ヒトトランスジェニック宿主動物であって、ここで、前記物質は、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは別個の手段により検出可能なものである;前記非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項4 マウスである、請求項3に記載の非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項5 刺激が試験剤であり、そして研究すべき作用が、試験剤が細胞内での分泌顆粒(SG)の形成またはSGの分泌、またはその両方を誘導する能力であり;工程(e1)または工程(e2)において得られた結果を、試験剤とは接触されていない以外は同様に処理された試験剤とは接触されていない参照細胞において得られた結果と比較する工程(f)をさらに含み;参照細胞中の物質Aおよび/またはCの量とは異なる、細胞中で検出される物質Aおよび/またはCの量が、試験剤が細胞内でのSGの形成および/またはSGの分泌に影響を与える能力の指標である、請求項2に記載の方法。 請求項6 SGがインスリン顆粒であり、そして工程(a)1における(ポリ)ペプチドまたは工程(a)2(i)における(ポリ)ペプチド、または項目(i)の(ポリ)ペプチドがインスリン顆粒に特異的である、請求項1〜5のいずれか1項の方法または非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項7 (ii)の(ポリ)ペプチドが、SNAP-tag、HaloTagまたはIn-Cellテトラシステインタグである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法または非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項8 SNAP-tagに対して結合する物質BがBTPである、請求項7に記載の方法または非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項9 SNAP-tagに対して結合する物質Aが、TMR-Star、BG-505、BG-430またはBG-DAFである、請求項7または8に記載の方法または非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項10 SNAP-tagに対して結合する物質Cが、TMR-Star、BG-505、BG-430またはBG-DAFである、請求項9に記載の方法または非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項11 刺激が、化学物質または放射線である、請求項2および5〜10のいずれか1項に記載の方法。 請求項12 検出またはモニタリングを、適切な波長で励起した後の蛍光放出、化学発光、または光吸収を検出することにより行う、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 請求項13 物質Aおよび/または物質Cの存在についての検出が定量的なものである、請求項12に記載の方法。 請求項14 融合タンパク質が、融合タンパク質をコードする核酸を細胞中に導入した後に発現される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法または非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項15 工程(a)、(b)、(c)および/または(d)の後に細胞を洗浄する工程をさらに含む、請求項1および6〜14のいずれか1項に記載の方法。 請求項16 工程(a),(b),(c1),(d1),(c2)および/または(d2)の後に、細胞を洗浄する工程をさらに含む、請求項2および5〜15のいずれか1項に記載の方法。 請求項17 (ポリ)ペプチドが、インスリン、フォグリン(phogrin)、ICA512、カルボキシペプチダーゼ(carboxipeptidase)E/H、クロモグラニンA、クロモグラニンB、セクレトグラニンII、タンパク質転換酵素(protein convertase)1または2、アミリン、または成長ホルモン、プロラクチン、ANP、およびNPYなどの別のSG-特異的神経ペプチド内分泌ホルモン、である、請求項6〜16のいずれか1項に記載の方法または非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項18 物質Aおよび物質Cの検出の別個の手段が、異なる励起波長および/または放出波長である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法または非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項19 物質Aまたは物質Cまたはその両方が、1.(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位に特異的に結合する部分、および2.検出可能な部分を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法または非-ヒトトランスジェニック宿主動物。 請求項20 細胞と、(ポリ)ペプチドまたは融合タンパク質上の結合部位を標的化する物質Dとを接触させ、工程(d)の後に、そして非結合の物質Cが細胞から除去されるようにする工程の後または非結合の物質Cを細胞から除去する工程の後に、結合に関して利用可能になることをさらに含む、請求項1および6〜19のいずれか1項に記載の方法。 請求項21 均質に標識化されたSGまたは物質の古さ(age)にしたがって区別して標識化されたSGから分泌された物質を検出するための方法であって、以下の工程:(a)SGを形成することができ、以下のもの:1.それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する、SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、または2.以下の(i)および(ii)を含む融合タンパク質(i)SGに対して特異的な(ポリ)ペプチド、および(ii)それに共有結合する少なくとも3つの異なる物質A、物質Bおよび物質Cに共通する結合部位を有する(ポリ)ペプチド;ここで、物質A〜物質Cは、細胞膜を貫通することができ、そして少なくとも物質Aおよび物質Cは別個の手段により検出可能なものである;を発現することができる細胞であって、(I)請求項1、2および5〜20のいずれか1項に記載の方法にしたがって処理されたもの;または(II)結合部位を標的化する物質と接触されたものを、その培養液から分離する工程;そして(b)存在するならばSGを標識化するために適用するいずれかの検出可能な物質の存在を、培養液中で検出する工程;ここで、培養液中での1またはそれ以上の物質の検出はSG由来の分泌が生じたことを示す、を含む、前記方法。 請求項22 細胞が請求項4に記載のトランスジェニックマウスから単離された膵島(islets)由来の初代β-細胞である、請求項1、2および5〜21のいずれか1項に記載の方法。 請求項23 工程(a)の対象となる細胞と、細胞内で既に発現されている(ポリ)ペプチド上の結合部位をブロックする物質Bとを接触させる工程、および非結合の物質Bが細胞から除去されるようにする工程、または非結合の物質Bを細胞から除去する工程、をさらに含む、請求項1、2、5〜20および22のいずれか1項に記載の方法。
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